【ABOUT OUR MISSION】#2 家は3回建てないと理想の家にならない?なんでそう言われ続けているの?
CONNECTは「シンプルで心地よい暮らしを提案する」というミッションを掲げています。暮らしの中で永く愛着を持ちながら使っていただける道具の販売や、心地よい空間を提案・体現していくため、衣食住の『住』に含まれる「家」に関わる商品を取扱っています。
CONNECTは生活における基礎である衣食住の『住』に当たる「家」を中心に、商品を取扱っています。オープン当初は雑貨屋からスタートし、これまでに照明、家具、建築と商材を展開しており、地域貢献にも尽力してきました。幅広いビジネスをおこなってきたCONNECTだからこそ言えることを、みなさんに発信していきます。
新築やリノベーションをご検討中の方、CONNECTにご興味のある方は『【ABOUT OUR MISSION】#0 CONNECTはシンプルで心地よい暮らしのお手伝いをしています!』の記事をぜひご一読ください!一度ではお伝えしきれない話題を分けて、お話していきますのでそちらもご覧いただけるとうれしいです。
今回は、『【ABOUT OUR MISSION】#1 家を建てる人必見!新築・リノベーションで困ることはなに?』の記事で取り上げた、家に関する困りごとの一因である、日本の「住まう」業界の現状を紐解いていきます。
みなさん「家は3回建てないと理想の家にはならないものだ」という話を聞いたことはありませんか?家は人生で最も大きな買い物と言われる中で、3回も建てるなんて余程のお金持ちでない限り非現実的ですよね。1回しか建てない人がほとんどであり、その大半の人はどこか妥協をして暮らしています。
では、なぜ多くの人が妥協せざるを得ないのか?「住まう」業界を深堀りすればその理由がわかります。
お読みいただいたあとで、「新築・リノベーションするにはこんな流れになっているのが一般的なの?おかしくない?」と疑問をもっていただければ幸いです。
一般的なインテリアの購入タイミングはいつ?
まず、CONNECTのメインの商材である「インテリア」から考えていきます。
インテリアとは、日本語の意味としては「室内装飾」であり、英語の「interiordesign」からきている言葉です。おおまかに言えば、壁紙や床材などの建材から、カーテン、家具、照明、雑貨などのことを指します。業界別で考えるなら、それらのインテリアを商材とする企業が『インテリア業界』にカテゴライズされるでしょう。
さて、それらのインテリアは、どのタイミングで購入されるでしょうか?
ずばり購入されるのは主に、新築・リノベーションなどで住まいが変わるときと、住人の増減があるときです。それ以外では毎年買い替えることはなく、壊れたり、傷んだりと機能を果たさなくなるまで購入されないのがインテリアです。
新築の場合は、例えばお子さんのいらっしゃるご家庭では、小学校の学区を定めるタイミングに合わせて建てることが多いです。その理由は、転校などでお子さんの生活環境を変えさせたくないことや、小学生以降はお子さんのためにお金をかけたいことなどが挙げられます。
一方リノベーションは、キッチンやバスルームなどの水まわりの寿命が大体15年と言われるところを、がんばって20年近く使い続け、お子さんが巣立つタイミングで改修を行うことが多いです。学費などの心配もなくなり、お子さん中心の生活から、親世代の自分たちに重心を変えて生活の再スタートを考えるというのが理由のようです。
また、お子さんの人数が増えたり、親御さんと暮らすことになるなど、住人の数によってテーブルの大きさが変わり、椅子や食器類が増えていきます。
一方、住人が減ると大きなテーブルは不要となり、人数にあったサイズのテーブルに変える必要が生じます。
インテリアは、生活スタイルの変化によって費用もかかるので、なかなか購入されづらいアイテムなのです。
2つに分断されている「住まう」の業界の現状
インテリア購入のタイミングのひとつである、新築・リノベーションを行っているのは、『建築業界』です。家を建てる、建て替えるとなると、まずはハウスメーカー、もしくは工務店に相談されることがほとんどでしょう。
ハウスメーカーは住宅展示場を構え、モデルハウスや建売住宅を用意しているため、購入する側は、実物を見学しながらメーカー担当者に気になることを相談できます。さらにCMなどの広告や宣伝も多いため、家を建てる手段としてはハウスメーカーしか知らない方もいるのではないでしょうか?ハウスメーカーに頼らず工務店に施工依頼する場合も、まずは最近の家の流行等を確認したり、展示場に訪れて参考にされる方もいらっしゃるかと思います。
ハウスメーカーで購入するメリットは、効率化された建築方法を独自に構築しているため引渡しまでの期間が短く、かつ耐震性などのテストも入念に行われている点です。近頃では、ハウスメーカーに依頼すると最短3か月で家が建ちます。
しかしその場合、家をパッケージ化しているため、少しでも変更が必要な場合に高額な追加請求となってしまうことがある上に、基本的な金額も決して安くはありません。
次に、自分の好きなように家を建てたい場合は工務店に依頼するのが一般的です。
ただし、工務店でも必ず施主の要望を全て叶えられるかというとそうでもありません。工務店も各会社で独自の建材の入手経路があったり、今まで経験した中で得意分野が確立してきたりしています。つまり、工務店はなんでもやってくれると思ってしまうかもしれませんが、工務店できる範囲で可能な限り対応してくれるというのが正しい意味合いなのです。自分が思う理想の家を建てたいと思い、施工業者にイメージを積極的に伝えられるお客様が増えてきていますが、ここ数年の話です。
そのイメージの例として、「皆川明氏が立ち上げたブランド『ミナ ペルホネン』が似合う空間にしたい」と施工業者に依頼したとします。工務店はまず『ミナ ペルホネン』を知っているかが重要になります。ブランドの世界観を理解していないとその時点で施主の意向を理解することが難しくなります。そして、知っていたとしても、取扱ったことがあるか、でも分かれ道となります。取扱商品と手配方法を一から調べ、手配の有無を検討する必要がある上に、すべて手探り状態で作業することになるからです。
大半の工務店は自分たちにできる範囲で仕事をしていたため、施主の持ち込んでくるニッチなイメージを体現化する経験値が少ないため、要望に細かく答えられる企業は極稀でしょう。
さて、そんな『建築業界』が行ってくれるインテリアの仕事は、「どこまで」でしょうか?
それは、「家の機能として生活になくてはならない設備の手配と設置まで」です。
例えば、システムキッチン、バスタブ、洗面台、壁紙や床材などの建材、電気配線、ダウンライトなどの埋め込み式の照明などが挙げられます。これらは、後付けすることができなかったり、素人では手配や設置が難しいため、依頼に応じてくれるでしょう。
しかし、それ以外の後付けのインテリアまでは提案しない会社がほとんどです。
もし、後付けのインテリアを提供してくれることがあるとすると、面倒見の良い設計士さんや、「自分が関わった物件はインテリアを実際に配置して住めるまで提案しないと気が済まない!」というこだわりの強い設計士さんがいる場合です。中には、モデルハウスに使用したインテリアを、購入時にそのまま付けてくれる会社や、インテリアコーディネーターの意見を踏まえた提案をしてくれる会社もありますし、提携しているインテリアショップを紹介してくれる場合もあるかもしれません。
しかし大半は、予算も人材も建物のみにしか充てられず、施主自身がインテリアショップで手配することが多いようです。
一方、『インテリア業界』側も自分たちの仕事に対して、「依頼されたものを納品すること」や、「すでに構図された建物の制限の中でインテリアを用意しコーディネートすること」という概念は持ち得ているようです。
50年変わっていない「家」を取巻く業界の構図
一般的に、インテリアは建物を軸に、あとから決めていくケースがほとんどです。建物のレイアウトを決めて、次に建物に合わせて暮らしに必要なインテリアをそろえようという流れです。この『建物>インテリア』の構図は1970年に終わった高度経済成長期から変わっていません。
家を建てる、建て替えるとなると、施主は建物とインテリアのセットで考えているはずであり、予算も当然その組み合わせで考えるでしょう。しかし、軸が建物であるため、建物に予算を目いっぱいかけて、余った予算でインテリアを購入するというのが現実のようです。
高度経済成長期は中流階級が大半だったため、家計は今よりも余力があり、建築にお金をかけてもインテリアにも充分に予算をかけられたでしょう。しかし、現代の格差社会の中で、時代とともに家を建てるための予算が圧縮されていき、生活に欠かせない建物が優先されるため、インテリアにかける予算はだんだん削られていきました。そのためインテリア業界は、インテリアショップや家具屋に見られる、低価格や値引き前提という販売戦略が一般的となってしまいました。
高度経済成長期前は、今も地方に見られるような日本家屋と、それに合わせた婚礼家具が主流でしたが、それ以降は生活スタイルの洋風化や核家族化が進んだことで、団地などの集合住宅が建てられるようになりました。ダイニングテーブルやソファといった足もの家具の需要が高まり、インテリアは低価格ながら高く見えるという商品が増える結果となったのです。そこから現代まで、家具のスタイルの変化は残念ながらほとんど見受けられません。
高度経済成長期から現代までで変わったことは少なくないです。固定電話からスマートフォンに変わり、インターネットが普及、いろんなものがアナログからデジタルに変わり便利な社会になりました。家電が充実し専業主婦が減り、働き方が豊富になり、核家族化も進み少子高齢化も進みました。社会全体をみると生活スタイルは大きく変わっていますが、インテリア業界は進歩していないのが現状です。
まとめ
生活をしていく上での基礎である衣食住の『住』にあたる「家」に関係する建築業界とインテリア業界は分断されており、業界間には壁があります。建築業界は、暮らしに関連する商材を提供することが少なく、インテリア業界も建築にまつわる工程に関わることが少ないのです。
インテリアは住いを見直すタイミングで検討されるものなのに、建物より後回しになるのはなぜでしょうか?建物が立派でも、建物の制限がある中で、しかも圧縮された予算で購入したインテリアで、理想の暮らしができるでしょうか?「住まう」業界の構造が長年変わっていないのはなぜでしょうか?
ここまでお読みになって、これらの疑問が湧いてきませんか?
CONNECTはこれらの疑問を解決するために、建築もインテリアも一緒に考えることを提唱しています。建築とインテリアも一緒に考えるにはどうすればいいの?と気になる方は、『#4 あなたはいまの暮らしに満足ですか?そろそろ「シンプルで心地よい暮らし」を手に入れませんか?』の記事で説明していますのでご覧ください。
index【ABOUT OUR MISSION】
#0 CONNECTはシンプルで心地よい暮らしのお手伝いをしています!
#1 家を建てる人必見!新築・リノベーションで困ることはなに?
#2 家は3回建てないと理想の家にならない?なんでそう言われ続けているの? ←今ここ
#3 家の不動産価値は30年でほぼ0円! ?でも、インテリアは50年経っても資産価値があるって知ってます?
#4 あなたはいまの暮らしに満足ですか?そろそろ「シンプルで心地よい暮らし」を手に入れませんか?
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この記事を書いた人
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こんにちは。ライフスタイルショップ「CONNECT(コネクト)」です。北欧のブランド(ルイスポールセン・フリッツハンセンなど)を中心に照明・家具・ヴィンテージ家具やインテリア雑貨をセレクトし、販売しています。 また、インテリアから考えるお家づくりも手がけています。