ヴィルヘルム・ラウリッツェンのプロダクト紹介 ~ コンサートホール Vega編 ~
建築家でありながら、インテリアデザインでも才能を発揮したヴィルヘルム・ラウリッツェンの家具や照明の数々を2回に分けてご紹介いたします。2回目の今回はラウリッツェンが1956年に手掛けたコペンハーゲンの「コンサートホールVega(ヴェガ)(当時は労働運動のための多目的集会施設「人民の家」)」のためにデザインされたプロダクトと今年10月に復刻されたばかりの幻のチェアをご紹介します。
▷1回目はこちら『【イベント開催】ヴィルヘルム・ラウリッツェンのプロダクト紹介 ~ ラジオハウス編 ~』
コンサートホール Vega(ヴェガ)とは
ヴェガ(1956年)は、当初労働運動のための多目的集会施設「人民の家」としてヴィルヘルム・ラウリッツェンにより設計されました。
ラウリッツェンは、小さなディテールが大きな違いを生むという信念のもと、壁面の装飾からシャンデリア、照明器具、コンセントまで、建物のあらゆるものを自身でデザインしました。1996年、「人民の家」は大規模な修復を経てコンサートホール「ヴェガ」として生まれ変わり、コペンハーゲンを代表する音楽の殿堂として知られています。
VLA26ヴェガチェア
△CARL HANSEN & SON(カール・ハンセン&サン) / VLA26 VEGA CHAIR(ヴェガチェア)
当初VLA26 ヴェガチェアは「人民の家」(労働者の多目的集会施設、のちのコンサートホール ヴェガ)の食堂用にデザインされました。大柄の労働者の体格を考慮して大らかでダイナミックな動きのある造形が特徴です。
ラウリッツェンは「人民の家」のためにVLA26 ヴェガチェアをはじめ、細部まで考え抜かれたモダニズムの名作を数多く世に送り出しました。これまでこの歴史あるコンサートホール ヴェガでしか使われていなかった椅子が、2022年に創立100周年を迎えるヴィルヘルム・ラウリッツェン・アーキテクツ(Vilhelm Lauritzen Architects)とのパートナーシップのもと、カール・ハンセン&サンで製作されることになりました。
VLA26 ヴェガチェアは、スチールと木材にファブリックまたはレザーがエレガントに組み合わせられています。カール・ハンセン&サンで初の、座ると背もたれが少し動き、座面のカーブは長時間座っても疲れにくいよう作られています。
座面と背もたれの精巧な張地が細身で洗練された印象を与えます。張地はファブリックとレザーから選ぶことができ、張地により見た目の印象が変わり、個性的な表現ができます。
△CARL HANSEN & SON(カール・ハンセン&サン) / VLA26P VEGA CHAIR(ヴェガチェア) / オーク材・オイル仕上げ / Loke 7140 / ダイニングチェア
板座バージョンはオリジナルにはなかったデザインで、今回の復刻で初めて登場しました。よりミニマルな外観で、環境に配慮され管理された森林で採取した証であるFSC® 認証を受けたオーク材の感触を十分に味わえます。また、ダイナミックな曲線を描いた背もたれが特徴的で、しっかりと体全体を預けることができゆったりとした座り心地です。これは大柄の労働者が座ることを想定してデザインされた椅子のため、彼らが座っても安定感があり、デザイン的にも見劣りのない形態を目指した結果だと言えます。
△CARL HANSEN & SON(カール・ハンセン&サン) / VLA26T VEGA CHAIR(ヴェガチェア) / オーク材・オイル仕上げ / ダイニングチェア
通常脚部にスチールを用いた椅子の脚先は樹脂のものが多いですが、このVLA26 ヴェガチェアの脚先は木製(オーク材)です。見落としがちなところですが、脚先に至るまで美学を追求したラウリッツェンのこだわりと、そしてカール・ハンセン&サンの卓越した職人技を感じることができるポイントです。
この脚先の木製キャップと背もたれ・座面はビス留めとなっており、交換可能で永くご愛用いただけます。カール・ハンセン&サンが長年取り組んでいるサスティナブルな活動を反映したつくりとなっています。
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VL56 ペンダント
△Louis Poulsen(ルイスポールセン) / VL 56 Pendant(VL56 ペンダント) / シルヴァー・クローム / ペンダントライト
コンサートホール ヴェガのためにヴィルヘルム・ラウリッツェンがデザインしたペンダントライトがこの「VL56」です。2023年、オリジナルデザインを現代的に仕様を変更して、シルヴァー・クロームメッキと真鍮(無塗装)の2つのヴァージョンで復刻リリースしました。
△Louis Poulsen(ルイスポールセン) / VL 56 Pendant(VL56 ペンダント)
このペンダントは、下向きのグレア・フリーの光を放射します。シェードの開口部に沿って打ち抜かれた螺旋状の孔パターンが光と影のコントラストを和らげる役割をはたし、柔らかな光のパターンを生み出します。
△Louis Poulsen(ルイスポールセン) / VL 56 Pendant(VL56 ペンダント) / 真鍮ポリッシュ / ペンダントライト
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番外編・美しい幻のチェア「VLA61 モナークチェア」
△ CARL HANSEN & SON(カール・ハンセン&サン) / VLA61 MONARCH CHAIR(モナークチェア)
1944年、ヴィルヘルム・
VLA61 モナークチェアは見事なモナークバタフライ(アゲハチョウの一種)にちなんで名付けられました。それは、生涯蝶に強い関心を持ち、研究にいそしんだヴィルヘルム・ラウリッツェンへのオマージュです。
△ CARL HANSEN & SON(カール・ハンセン&サン) / VLA61 MONARCH CHAIR(モナークチェア) / マホガニー材・オイル仕上げ / Baru 0780
ゆったりとした張地、二重に湾曲したアーム、真鍮製の脚先などのディテールからは、細部までこだわり抜いたラウリッツェンの軽快かつ豊かな芸術的表現が感じられます。
美しくカーブしたパーツで構成されているVLA61 モナークチェアの製作は、カール・ハンセン&サンの経験豊富な家具職人にとっても、大変複雑で時間がかかる作業です。すべてのパーツを手作業で磨き上げてから組み立て、さらに椅子全体、特に接合部周辺を再び手作業で研磨することで、最終的に完璧な美しい仕上げを実現しています。
アームと後ろ脚の周囲を美しく仕上げるため、背もたれは椅子に取り付けた後に張り加工を施すなど、カール・ハンセン&サンの椅子張り職人の熟練した技術があってこそ実現した今回の復刻なのです。
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この記事を書いた人
masaki
北欧家具の魅力を通して、日々の暮らしが心地良く豊かになる情報をお伝えしていけたらと思っています。夫、子ども2人、猫3匹との暮らしの中に少しずつ北欧インテリアを取り入れていくのが楽しみの一つです。