瀬戸内海の島に大人のための学校「フォルケホイスコーレ」を作りたい!【CONNET・地域活性化プロジェクト③】
瀬戸内海の島に大人のための学校「フォルケホイスコーレ」を作りたい!【CONNET・地域活性化プロジェクト③】
「シンプルで心地よい暮らしを提案する」というミッションをかかげ、日々の生活の中で心の充足感を満たすような空間作りをしているインテリアショップCONNECT。「本当に心地よい暮らしを実現するには、自分たちの家だけでなく、地域全体を変える必要がある」という思いから、2017年より過疎化が進む地元・丸亀市の空き家をリノベーションするプロジェクトを始動しました。
さらに2018年には、新たに地域エリアマネジメントに特化した別会社「スナック」を設立。活動の場を丸亀市の中でも特に歴史的建造物が残る離島・「本島」へと活動を広げ、インテリアの力で地域を活性化することにチャレンジし続けています。
この連載では、CONNECTが手がけるプロジェクトについて、全3回にわたりお届け。最終回(3回目)となる今回は、これまで手がけてきた数々のリノベーションを経たうえで目指す、次のステージについてご紹介します。どうぞお付き合いください!
▶ブログ【CONNECT・地域活性化プロジェクト①】はこちら
▶ブログ【CONNECT・地域活性化プロジェクト②】はこちら
2024年もデンマーク王立芸術アカデミーから2人の卒業生が来てくれました!
2024年の春、新たにデンマーク王立芸術アカデミー卒業生の若き建築家ペニーレ(左)とアメリエ(右)が来日しました。2人とも過去に来日経験があり、日本が大好き。ペニーレは同級生たちが参加したReading Honjimaプロジェジェクトに興味を持ち、コロナ前からプロジェクトへの参加を熱望。5年越しの想いで訪れた丸亀市で、3月から6月までの約3か月の間、本島の地域活性化プロジェクトReading Honjimaに参加してくれました。
二人が手がけたのは、これまで継続して行ってきた古民家のリノベーションではなく、その次のステージとなる本島での新たなプロジェクトです。スナックとCONNECTがリノベーションを手がけてきた本島の数々の施設を活用し、北欧式の学校、「フォルケホイスコーレ」をオープンするという壮大なビジョンに向けてプランニングをしてくれました!
本島に北欧式の学校、フォルケスコーレ設立を計画中!フォルケホイスコーレとは?
「フォルケホイルコーレ」と聞いて、それが一体どんなものなのか、すぐに思い浮かぶ人は少ないはず。
「フォルケホイスコーレ」とは、デンマークで19世紀に発祥した、北欧独特の成人のための教育機関のことです。
大人なら誰でも入学できる、テストがない、全寮制であるなどの独特の教育システムが特徴で、現在では、デンマーク以外にもスウェーデンやノルウェー、フィンランドの地域でも展開。海外からの留学生も受け入れており、世界各地から注目を集めています。
「フォルケホイスコーレ」の主な特徴は下記の通りです。
・成人なら誰でも入学が可能
・基本的に全寮制である
・国籍は問わない
・テストや試験などはない
・特別な成績や資格も不要
・さまざまな科目を自分で主体的に選び、学ぶことができる
北欧文化の特徴のとしてよく知られていることの一つが、その幸福度の高さです。国連が発表する「世界幸福度ランキング」では、毎年上位を北欧諸国が占めています。その一因とも考えられているのが、北欧の教育に対する考え方。北欧では、子どもの頃から自主性を尊重し、良い成績をとることよりも「自分らしい生き方を見つける」ことのほうが優先されていると言われています。
自らの意思で興味のある科目を選択し、じっくりと主体的に学ぶことができるホイスコーレは、まさにその考え方を重視して作られた、大人のための学びの場です。
また基本的に全寮制で上下関係はなく、様々な人々との共同生活によって、豊かな人格を形成していくという教育方針も大きな特徴。教師・生徒との関係性で語られる日本の「学校」とは全く異なった、北欧独自の育成機関なのです。
もちろんペニーレとアメリエもホイスコーレの卒業生。デンマークではホイスコーレに行くことは特別なことではなく、ごく一般的なこと。彼女たちもそこで建築を学んだ経験がきっかけとなり、建築家を目指し、デンマーク王立芸術アカデミーを志すようになったと語ってくれました。
また、多くのホイスコーレは、都市部ではなく、本島のような過疎化した地方に設立されているのも特筆すべき点。その土地の特性を生かしながら、地元のコミュニティと関わることで、地域活性化につながっている多くの事例を挙げてくれました。
▲2024年1月には、岡山天満屋「北欧の暮らし展」にてフォルケホイスコーレについてのトークイベントを開催しました。詳しくはこちらのブログ「これから海外留学する方必見⁉️実は知られていない北欧の学びとは!」とYouTubeをご覧ください。
CONNECTがこれまで本島で手がけてきた場所をつなげ、活かす。インテリア、クラフトに特化したフォルケホイスコーレを作りたい!
これまでにも、「シンプルで心地よい暮らし」をより広く提案していくために、プロフェッショナル向けのインテリア講座など、様々なプログラムを企画してきたCONNECT。その際にも、「インテリアについて学べる場所が少ない」「どこでインテリアの知識を得たらいいかわからない」といった声を数多く頂いています。
塩飽大工が手がけたたくさんの建築物、街並みが残されている本島だからこそ、伝統的な建築物の中で、リノベーションやインテリアのスタイリングなど、大人が主体的に、本格的に学ぶ場がつくれるのではないか?
そして、その場を訪れる人たちと、島の人との間に交流が生まれることが、本島の地域活性につながるのではないか?
そんな想いから、今、スナックとCONNECTは、デンマークの建築家たちと共に、「本島ホイスコーレ」を設立する計画を構想しています。
▲2024年6月には、3ヶ月間にわたる活動の締めくくりとして、フォルケホイスコーレの可能性をプレゼンテーションしてくれました。「本島は、他の有名な島のように大きな施設はないが、島の人たちの生活がすぐそばにある。島の生活と訪れた人たちとが”CONNECT”できることに、本島ホイスコーレの可能性を感じる」と語ってくれています。
まとめ
小さな地方の町から、毎日さまざまなメディアを通じてインテリアの情報発信とWEB販売を行っているCONNECT。 いちインテリアショップがなぜ、地域の問題に取り組み、活動をし続けているのか?について、全3回にわたるブログ連載でお届けをしてきました。
インテリア業界に携わるものとして、そしていち地方の企業としても、「地域の暮らしを豊かにしていきたい」という想いをもち続け取り組むプロジェクト。これからもスナックとCONNECTは、地元の人たちや、企業、行政の力を借りながら様々なアイデアを形にし続けていきます。
どうぞご期待ください!
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この記事を書いた人
CONNECT
こんにちは。ライフスタイルショップ「CONNECT(コネクト)」です。北欧のブランド(ルイスポールセン・フリッツハンセンなど)を中心に照明・家具・ヴィンテージ家具やインテリア雑貨をセレクトし、販売しています。 また、インテリアから考えるお家づくりも手がけています。