幻の名作が甦る! ポール・ケアホルムのラウンジチェア「PK23」発売開始
幅広く低めのフォルムと、左右対称の有機的なシートデザインが印象的なラウンジチェア「PK23」が、約70年の時を経て、ついにその姿を現します。
1954年、成形合板の可能性を無限大に感じたポール・ケアホルムは、巨匠アルネ・ヤコブセンとの競演の中で、自らのデザイン哲学を追求し、この傑作を生み出しました。
PK0で培った経験と、FRITZ HANSEN(フリッツ・ハンセン)の高度な技術力との融合により、デザイン性の高さだけでなく、多くの人々に手が届く価格を実現。ケアホルムの情熱が形となった「PK23」は、私たちの生活に、新たな座り心地と美しさを約束します。
■ポール・ケアホルムとアルネ・ヤコブセン、そしてPK23誕生秘話
北欧デザイン黄金期の陰と光
1950年代は、北欧デザインが世界的に注目を集めた時代です。
フリッツ・ハンセン社は、アルネ・ヤコブセンなど、多くの著名デザイナーの作品を世に出し、北欧デザインの中心として重要な役割を果たしていました。
ハンス J. ウェグナー、コーア・クリント、オーレ・ヴァンジャーといった巨匠たちから多大な影響を受けたポール・ケアホルムは、コペンハーゲンの美術学校で学び、後に王立芸術アカデミー家具科の教授を務めるなど、北欧デザイン界の重要な人物として活躍しました。
ポール・ケアホルムの挑戦と挫折
ポール・ケアホルムは、家具職人としての確かな技術と、ハンス J. ウェグナーやコーア・クリントといった巨匠から受け継いだ北欧デザインの誇りを胸に、独自の表現を探求し続けたデザイナーでした。
彼の卒業制作となったPK25は、木材を扱うような繊細な感覚でスチールを操り、無駄を削ぎ落としたミニマルなデザインが特徴的です。この作品は、素材の特性を最大限に引き出すケアホルムの才能を世に知らしめることとなりました。
その後、ハンス J. ウェグナーの事務所を経てフリッツ・ハンセンに入社したケアホルムでしたが、同社が量産性の高いアルネ・ヤコブセンのANT(アリンコチェア)の製造に力を入れる中、彼の革新的なデザイン、特に量産が難しいとされたPK0への理解は得られませんでした。この状況に失望したケアホルムは、やむを得ずフリッツ・ハンセンを退社することになります。
PK23誕生の背景
ヤコブセンのANT(アリンコチェア)の圧倒的な成功を目の当たりにしたケアホルムは、自身のデザインに対する強いこだわりと、新たな表現への挑戦を胸に、「PK23」をデザインしたと考えられます。
同じ会社で共に働き、互いを意識していた二人のデザイナー。その競争意識と相互の刺激が、「PK23」という独創的な作品を生み出したと言えるでしょう。
ダイニングチェアという領域で既に大きな成功を収めていたヤコブセンに対し、ケアホルムはラウンジチェアという新たなフィールドで、自身のデザイン哲学を追求したかったのかもしれません。
■PK23のモデル展開は全部で4種類
・カラードアッシュブラック / スチール脚 154,880円(税込)
・カラードアッシュブラック / ブラック脚 154,880円(税込)
・オーク / スチール脚 165,880円(税込)
・ウォルナット / スチール脚 165,880円(税込)
■PK23は「PK0」と「PK4」のデザインの交差点
PK0
フリッツ・ハンセン社は、成形合板の技術において世界をリードし、背座一体の三次元曲線を実現するなど、家具デザインの新たな可能性を切り開きました。ケアホルムの革新的なデザイン、例えばPK0などは、フリッツ・ハンセンの技術を持っても安定的に量産することは困難であり、プロトタイプのまま日の目を見ることはありませんでした。
しかし、フリッツ・ハンセン社は、技術革新を続け、かつて実現できなかったデザインを現代に蘇らせることを目指してきました。2022年には、PK0が「PK0 A」として復刻、そして今年は「PK23」が、デザインから70年の時を経て復刻しました。
成形合板の技術における同社の蓄積されたノウハウと、ケアホルムの独創的なデザインが融合することで、時代を超えて愛される名作が誕生したのです。
※成形合板とは、薄くスライスした木材を重ねて熱を加えながら型に合わせて成形する木工技術のこと
PK4
PK4の洗練されたデザインは、空間にもたらす「抜け感」が魅力です。スチールと麻ひものシンプルな組み合わせが、軽やかで開放的な印象を与えます。
今回発売された「PK23」も、この“抜け感”を引き継ぎつつ、新たな魅力を加えています。背中と座面に施されたスリットが、座面に深みと立体感を与え、より洗練された印象に。このスリットは、“しなり”を生むことから座り心地を向上させるだけでなく、デザインのアクセントとしても機能しています。PK4とは異なる素材感と座り心地をぜひ体感してみてください。
■「PK23」でつくるモノトーンコーデ
モノトーンインテリアに「PK23」を取り入れることで、流行りに左右されない洗練された空間になります。ブラックのインテリアはつい重く見えがちですが、フォルムと素材感にこだわることで、軽やかで飽きのこないコーディネートに仕上がります。
① 滑らかな曲線で軽やかさを
直線的で角ばったデザインは空間に緊張感を与えてしまい、どこか落ち着かないインテリアになってしまいがちです。PK23のような、直線と曲線のバランスが優れたデザインを取り入れると自然と身体も心もリラックスできるでしょう。
特に、背もたれと座面の滑らかな一体感は、空間に流れるような動きを生み出し、どこから見ても軽やかな美しさを楽しめます。
② スリムなシルエットで開放感と心地よさを
家具のシルエットも大切です。PK23のように、背もたれや座面が薄く、脚が細めのデザインは、圧迫感を軽減し、空間をより開放的に見せてくれます。
背もたれと座面は薄いですが、適度なしなりがあり身体のラインにフィットしてくれるフォルムだからこそ安心できる心地よさがあります。
③ マットな質感で落ち着きを
光沢のある素材は高級感を演出しますが、モノトーンインテリアでは、かえって目立ちすぎて飽きてしまいがちになります。PK23のような、マットな質感の素材は、落ち着きのある雰囲気を醸し出し、生涯長く愛せるインテリアとなります。
まとめ
約70年の時を経て、ついにその姿を現したポール・ケアホルムの幻の名作「PK23」。1954年、北欧デザイン黄金期に活躍したデザイナー、ポール・ケアホルムがデザインしたこのラウンジチェアは、成形合板という革新的な素材を用い、身体を優しく包み込むようなフィット感を生み出しています。
ケアホルムの飽くなき探求心から生まれた「PK23」は、PK0やPK4のデザイン要素も取り入れ、フリッツ・ハンセン社の高度な技術力と見事に融合。滑らかな曲線とスリムなシルエット、そしてマットな質感が特徴のその姿は、まさに時代を超えた名作と言えるでしょう。しかし、当時の技術力では量産が難しく、長らく世に出ることはありませんでした。
今回、最新の技術とケアホルムのオリジナルデザインを忠実に再現することで、多くの人々が「PK23」の座り心地を体験できるようになりました。「PK23」は、モノトーンインテリアにも合わせやすく、洗練された空間を演出します。
北欧デザインの巨匠が生み出した「PK23」を通じて、あなたもその世界観に浸ってみてはいかがでしょうか。
◎12月21日より開催される「ポール・ケアホルム展 in 京都」では、実際に「PK23」に触れることができます。
北欧デザインの奥深い世界を体感したい方は、ぜひ足をお運びください。
ポール・ケアホルム展 in 京都について詳しく知りたい方はこちら
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この記事を書いた人
takahashi_tomomi
出産・育児を経て久しぶりに社会復帰しました。毎日素敵なインテリアに囲まれて仕事をしています。自分の経験を活かしてお客様のお役に立てる情報発信に努めていきたいと思っております。