取り付けについて
図の配線器具がついていれば、本体の取り付け・取り外しが電気工事なしで簡単に行えます。
【 ペンダントコード長さ加工価格 】
引掛シーリングキャップ上端から、器具下端までが全長となります。加工は全長をご指定ください。
※コード加工の際に、多少の誤差が生じる場合がございます。予めご了承ください。
- ワイヤータイプの「Collage600」「PH Septima」「Toldbod400」は価格が異なりますのでお問合せください。
- 電源が一箇所しか無くてもペンダントライトを2灯吊れる取付簡易型ライティングダクトレールをご希望の方はこちらから。
- コードの長さを自由に調整できるコードリールをご希望の方はこちらから。
- ライティングダクトレールに取り付けられる、ライティングレール用引掛けシーリングボディをご希望の方はこちらから。
“ガラスの王冠” 復刻
北欧照明デザインの巨匠、ポール・ヘニングセンによって、1927-31年に設計された「PH Septima(セプティマ)」が、2020年秋に復刻発売されました。当時、セプティマは “ガラスの王冠” と称され、詩的で趣あるデザインはヘニングセンが手掛けた洗練されたペンダント照明の一つと言われています。
PH Septimaが作り出す、贅沢で豊かな時間
PH Septimaはさまざまなシーンで使われることをイメージして作られました。レストラン、バーやレセプションエリア、そして住宅。器具の大きさは、PH 5と同じ直径50cmです。使いやすいサイズ感で、ダイニングを照らすのに最適です。こんな素敵な照明があれば、いつものダイニングで過ごす時間が、より贅沢で豊かなものになりそうです。
ラウンドテーブルなら器具にボリュームを持たせてφ120cmぐらい、長方形のテーブルなら幅160cmぐらいだとバランスがよくまとまります。設置する高さは、テーブル面から器具の一番下まで60cmがおすすめです。この高さにすると、手元がしっかりと照らされます。また、自然と視界にペンダントが入り、一度目線がそこで止まります。そうすることによってペンダントの後ろの空間に奥行きを感じ、より空間を広く見せる効果もあります。
リビングやエントランスにも。ヘニングセンが作り出した、まるで芸術作品のような美しいデザインと、イタリアのガラス職人によってつくられた上質で美しいガラスシェード。思わずうっとり見惚れてしまうほど美しいその佇まいは、空間を華やかに彩り、上質な雰囲気を演出してくれます。
「北欧照明の父」ポール・ヘニングセンのデザイン
ポール・ヘニングセンとルイスポールセン社とのコラボレーションは1925年に始まり、1967年に亡くなるまで続きました。
ルイスポールセンのアイコニック的存在になっている「PH 5」「3枚シェードのPHランプ」「PH アーティチョーク」など、彼のイニシャル「PH」が名前に付く照明はすべてポール・ヘニングセンがデザインを手がけています。
ヘニングセンがデザインした照明器具はすべて、「人間にとって良質な光を与える照明」という彼の哲学が貫かれています。
ヘニングセンが追求した対数螺旋のシェード
ヘニングセンがデザインした照明器具は美しい光のグラデーションが特徴です。
この光の秘密は、巻貝のカーブと同じ“対数螺旋(たいすうらせん)”と言う数学的な形が照明の傘(シェード)に応用されているからです。
対数螺旋のカーブは、下図のように、光がどの角度から当たっても同じ角度で反射します。この仕組みにより、なめらかな光のグラデーションをつくることができるのです。
Septimaは上図の基本となる3枚のシェードの間に、追加で4枚のシェードを挿入して設計されています。
オリジナルデザインの雰囲気を保ちつつ、復刻したセプティマは現代に合うよう、ガラスをわずかに変えシェードが真っ直ぐにしっかりと固定されるように、サスペンションが作られています。
当時の設計図
参照:LIGHT YEARS AHEAD THE STORY OF THE PH LAMP(2000).Louis Poulsen
美しさと強度を兼ね揃えたガラスシェード
ガラスシェードはイタリア産ホウケイ酸ガラス製です。ホウケイ酸ガラスとは、ホウ酸を混ぜて熔融し、軟化する温度や硬度を高めたガラスのことで、耐熱ガラスや硬質ガラスとして代表的な強度のあるガラスのことです。
透明な部分とフロスト加工された部分が交互に見えるように配置されています。フロスト加工された部分(半透明の部分)が下方の透明な部分を覆い、各シェードが光をより広げられるようにしながら、光源の眩しさを抑え、下方向の直接光の拡散も維持します。
“Septima” はスペイン語で「第7」の意味を持っています。PH Septimaという名前は7枚のシェードに由来しますが、実際のシェードは9枚あります。トップガラス下のトランペットの形の部分、そして上部にサスペンション(シェードを支えている支柱部分)をカバーする小さな丸いカップの部分です。
上部の円形のガラス製カップを配置することで、埃などがランプに落ちるのを防いでいます。
一番下のディフューザーガラスは、下向きに眩しさのない、快適な光を届けます。ディフィーザーガラスは下のガラスと一体になっていて、光源を取り替えるときは簡単に外せます。
真鍮をヴィンテージに育てる楽しみ
真鍮は亜鉛と銅が混ざってできています。身近なものだと5円玉が真鍮です。PH Septimaのフランジカバーと灯具の部分は無塗装の真鍮で作られています。無塗装の真鍮は、手汗や湿気によって変色します。また、空気と触れることで酸化し、年月をかけて濃いアンティークゴールドの輝きになります。真鍮は一緒に時を重ねて変化していくのを見るのも楽しみの一つです。PH Septimaの真鍮部分は、艶を抑え、よりインテリアに溶け込むよう工夫されています。
日頃のお手入れは乾いた布で拭くだけでかまいませんが、くすみや汚れが気になる場合は真鍮専用のクロスを使い、目立たない部分で試してから磨いてください。
SeptimaとArtichoke
PH Septimaの開発中、ヘニングセンはメタルバージョンも設計しましたが、それは製品化には至りませんでした。それから約30年後、コペンハーゲンのレストラン “ランエリーニュ・パヴィリオン“のための照明を依頼されると、ヘニングセンはわずか3か月でPH Artichokeのデザインを完成させました。それは、Septimaのデザイン原案があったからだといわれています。PH Artichokeは72枚ものシェードで作られていますが、その美しい佇まいは、どこか兄弟のようにSeptimaと似た雰囲気があります。
レストラン 『ランエリーニュ・パヴィリオン』店内の様子(1959年)
参照:LIGHT YEARS AHEAD THE STORY OF THE PH LAMP(2000).Louis Poulsen;
PH Artichokeはステンレスや、銅、真鍮など金属素材のものを見たことがある人が多いかもしれませんが、ガラス仕様のタイプもあります。シェードが72枚あり、華やかで存在感のあるデザインのため、ダイニングと言うよりは、商業施設やホール、エントランスに使われることが多いように思います。今回、復刻したPH Septimaは特別感がありながらも、空間に馴染みやすいデザインですので、普段過ごすダイニングやリビングなどを、特別な光で豊かな時間にしてくれます。
メンテナンスについて
定期的に(6か月程度)部品のゆるみがないか点検してください。普段のお手入れは乾拭きでほこりを取ってください。ガラスシェードの汚れがひどい時は、軟らかい布に中性洗剤を浸し、よく絞って拭いた後、乾いた軟らかい布で仕上げてください。真鍮部分は濡らさないようご注意ください。屋内専用ですが、湿気や水気の多い場所での使用はできませんのでご注意ください。万が一、ガラスシェードが破損してしまった場合はスペアパーツのご購入も可能です。ご希望の方はお問い合わせください。
「北欧照明の父」ポール・ヘニングセンとは?
Poul Henningsen(ポール・ヘニングセン) 1894-1967年
1894年、デンマーク中心部のオードルップに生まれ、高等学校を中退しテクニカル・カレッジで建築工法を学ぶ。自身の設計事務所をコペンハーゲンに設立後、ルイスポールセン社と協働を始め、複数のシェードから柔らかな光が降り注ぐランプを開発。良質な光を得るための機能的なデザインを生涯にわたり追及し、100種類以上のランプをデザインしました。また、照明以外にも、ジャーナリスト、アーキテクト、エディター、詩人、ソングライターとして多岐にわたり活動しました。特に彼の辛口の批評は有名で、無視できない論客として当時のデンマーク社会に強い影響力を放った人物です。
老舗照明ブランド、ルイスポールセンとは?
北欧・デンマークの照明ブランド。創業一族のポールセン一家は1800年代末頃から工具、電気用品の販売を手掛けていました。1924年にパリの博覧会のためにポール・ヘニングセンと共同で開発した照明器具が高い評価を得て、照明器具の発売を開始。これが100種類以上のラインナップを誇るPHシリーズの始まりとなりました。現在では、ルイスポールセンは近代照明のルーツといわれ、世界の照明デザインに大きな影響を与えている"北欧のあかり"となっています。