1903年にコペンハーゲンに生を受けたOle Wanscher(オーレ・ヴァンシャー)は、Kaare Klint(コーア・クリント)を師事とし1929年に王立美術大学を卒業後、デンマーク王立芸術アカデミー家具科の教授としてもデンマークデザイン界に大きな功績を残しています。1927年には、家具デザインを専門とする建築会社を設立しました。研究熱心な彼はクラシックであるが最小限の美学を探求することを追求し、海外で遭遇したギリシャ、中国、エジプトのデザインやウィーン分離派、ビーダーマイヤー、シェイカースタイルなどのモダニズムにも大きく影響されました。美術史学者を父にもつ彼は、デザイナーだけに留まることなく、“家具芸術史”(1956年)と“5千年の家具”(1967年)など、デザイン史上いくつかの書籍を出版するなど学者としても、多くの重要な評論家に大きな影響を与えました。