建築家でありながら、インテリアデザインでも才能を発揮したヴィルヘルム・ラウリッツェン
ラウリッツェンが1956年に手掛けたコペンハーゲンの「コンサートホールVega(ヴェガ)(当時は労働運動のための多目的集会施設「人民の家」)」のためにデザインされたVEGA CHAIR(ヴェガチェア)をご紹介します。
コンサートホール Vega(ヴェガ)とは
ヴェガ(1956年)は、当初労働運動のための多目的集会施設「人民の家」としてヴィルヘルム・ラウリッツェンにより設計されました。
ラウリッツェンは、小さなディテールが大きな違いを生むという信念のもと、壁面の装飾からシャンデリア、照明器具、コンセントまで、建物のあらゆるものを自身でデザインしました。1996年、「人民の家」は大規模な修復を経てコンサートホール「ヴェガ」として生まれ変わり、コペンハーゲンを代表する音楽の殿堂として知られています。
VLA26ヴェガチェア
当初VLA26 ヴェガチェアは「人民の家」(労働者の多目的集会施設、のちのコンサートホール ヴェガ)の食堂用にデザインされました。大柄の労働者の体格を考慮して大らかでダイナミックな動きのある造形が特徴です。
ラウリッツェンは「人民の家」のためにVLA26 ヴェガチェアをはじめ、細部まで考え抜かれたモダニズムの名作を数多く世に送り出しました。これまでこの歴史あるコンサートホール ヴェガでしか使われていなかった椅子が、2022年に創立100周年を迎えるヴィルヘルム・ラウリッツェン・アーキテクツ(Vilhelm Lauritzen Architects)とのパートナーシップのもと、カール・ハンセン&サンで製作されることになりました。
VLA26 ヴェガチェアは、スチールと木材にファブリックまたはレザーがエレガントに組み合わせられています。カール・ハンセン&サンで初の、座ると背もたれが少し動き、座面のカーブは長時間座っても疲れにくいよう作られています。
座面と背もたれの精巧な張地が細身で洗練された印象を与えます。張地はファブリックとレザーから選ぶことができ、張地により見た目の印象が変わり、個性的な表現ができます。
△VLA26P VEGA CHAIR(ヴェガチェア) / オーク材・オイル仕上げ / Loke 7140
板座バージョンはオリジナルにはなかったデザインで、今回の復刻で初めて登場しました。よりミニマルな外観で、環境に配慮され管理された森林で採取した証であるFSC® 認証を受けたオーク材の感触を十分に味わえます。また、ダイナミックな曲線を描いた背もたれが特徴的で、しっかりと体全体を預けることができゆったりとした座り心地です。これは大柄の労働者が座ることを想定してデザインされた椅子のため、彼らが座っても安定感があり、デザイン的にも見劣りのない形態を目指した結果だと言えます。
△VLA26T VEGA CHAIR(ヴェガチェア) / オーク材・オイル仕上げ
通常脚部にスチールを用いた椅子の脚先は樹脂のものが多いですが、このVLA26 ヴェガチェアの脚先は木製(オーク材)です。見落としがちなところですが、脚先に至るまで美学を追求したラウリッツェンのこだわりと、そしてカール・ハンセン&サンの卓越した職人技を感じることができるポイントです。
この脚先の木製キャップと背もたれ・座面はビス留めとなっており、交換可能で永くご愛用いただけます。カール・ハンセン&サンが長年取り組んでいるサステナブルな活動を反映したつくりとなっています。
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