360度しずく型。空間に愛らしさを落とす “ドロップチェア ”
1958年、「アルネ・ヤコブセン」によってデザインされたドロップチェア。建築家という本業を持つ彼がデザインしたデンマークのSASロイヤルホテルで使用するために約200脚を製造したのみで、その後一度も製造されることはありませんでした。
2014年、50年以上の深い眠りから目覚めようやく復刻を果たしたドロップチェア。多くの時間をかけて復刻を果たしたドロップチェアが今でも愛され続ける理由をみていきましょう。
ヤコブセンの孫「トビアス・ヤコブセン」によって実現した、ゼロからの復刻
「ドロップは私が今まで目にした中で最も美しい椅子の1つでしょう。」
「この椅子が製造されていないことを常々残念に思っていました。」
こう語るのはヤコブセンの実の孫であり、デザイナーの「トビアス・ヤコブセン」。
彼のドロップに対する深い想いから、愛らしいドロップチェアが再び生まれました。
復刻プロジェクトをどう進めるか、幾度も話し合いを重ねました
復刻にあたって、彼の中で様々な戸惑いがありましたが、中でも一番の問題は「 図面がない・・・」ということでした。
オリジナルデザインに関する資料が一つも残っていないため、正確な寸法や構造が分からず、オリジナルのフォルムを示す術がありませんでした。チェアデザインの核でもある製品図面無しでは、椅子がどうあるべきなのか様々な意見を抱えたままで、どこから手を付ければいいかその見当さえつかず、行き詰まってしまいました。
しかし、奇跡的に張地を取り除くことができる古いドロップチェアの現物が見つかり、それを基に忠実に再現しようとするもオリジナルと同じフォルムにはなりませんでした。
ドロップをプラスチックで作るにはオリジナルとは異なる構造を採用しなければならない上に、借り物のオリジナルの椅子は解体することができないといったこともあり、オリジナルに忠実な椅子を製造するプロセスは非常に難しいものでした。
こうして試行錯誤を重ね、たくさんの時間を費やしてオリジナルに忠実なドロップチェアが復刻を果たしました。
どこから眺めても三角形(しずく型)にみえるドロップチェアでお部屋をすっきり
三角形は矢印と同じ心理効果を生み出します。誰でも、矢印があれば意識せずとも矢印が指し示す方向に注目してしまうもの。
例えば、三角形の代表と言えば富士山。美しい三角形をした富士山がみんなの視線を集めるように、人の目線が自然に集まる形が三角形なのです。
カメラのフォーカスみたいに、目線が1点にギュッと定まれば、その他の部分がぼけて見える。そのような人の目の仕組みから、三角形のある空間はスッキリと見えやすいのです。
ドロップチェアは360度なめらかな三角形(しずく型)
ドロップチェアはABSプラスチックを使うことにより、立体的に成形されているので、どこから見ても美しい三角形(しずく型)に見えます。
つなぎ目は、イスの角のフチ部分のみ。後ろから見たお尻の部分はすべて滑らかなひと連なりになっています。
ワークスペースが散らかって見えなくなる
三角形のドロップチェアが主役のワークスペース。どこから眺めてもこの三角形に目線が集まるので、雑誌やコップが出しっぱなしでもスッキリ見えやすいのです。
ドロップチェアの3つの座り心地の特徴
1.丸く包まれるような座り心地
座面は丸く成形されており、お尻が丸く包まれるような座り心地が特徴です。
2.女性の身体がすっぽり収まるコンパクトサイズ
座面の横幅は、女性が座るとお尻がすっぽり収まるコンパクトサイズ。身体の大きい男性には少し狭いかもしれません。
3.背もたれは高めで、しっかりと支えてくれます
背もたれは高く、肩甲骨の中央まで届きます。
しなやかさはなく、しっかりとした安定感があるので、長時間もたれてくつろぐというよりは、デスクやテーブルとセットで前傾姿勢で座って使用することに向いています。長時間もたれてくつろぎたい場合はセブンチェアやリリーなどの方が向いているかもしれません。
シェルがしずく型になっているため、もたれたときに腕が背もたれに当たらないようになっています。
勉強や読書の合間に少しリラックスしたいときは、後ろで腕を組んで伸びをしたり、肩を回して力を抜いたりして、自由にくつろぎやすくなっています。
愛用者の声に答えて改良されたシートクッション
ドロップチェアのプラスチックシェルの先端が「太ももに当たって痛い」。というご意見がお客様から多く寄せられていました。
2019年秋に改良発売されたドロップチェア 専用シートクッション。これが、とてもよくできているのです。
ドロップチェアのくぼみの形に合わせた、分厚いウレタンクッションが椅子の形にピタリと収まります。
裏面には滑り止めが付いており、座面にしっかりと固定されるのも嬉しいところ。
お尻が底当たりせず、体重がうまく分散されるのが心地良いのです。
先端部分までクッションでしっかり覆われ、問題だった太ももは痛くなくなりました。
DROPチェア 専用シートクッションの詳細はこちら
お部屋に置いてみると・・・
スリムでコンパクト
ドロップチェアは、座面の横幅がセブンチェアよりも5cm程小さくなっています。
スペースが限られた狭いところや、コンパクトなダイニングテーブルなどに使用しても圧迫感がなく、空間をすっきりと見せてくれます。
アイコン的存在
お部屋の壁際やコーナー、ベッドサイドなどにオブジェとして置いても、立体感のあるしずく型のシルエットは画になります。
座らなくても目に付くところに置いておくだけで、まるっこくて愛らしいフォルムに癒されますね。ポップなカラーを選ぶと、さらに空間のアクセントになります。
見えない補強で安定した強さと美しさ
シェルを二重構造にし、シェルとシェルの間に脚を差し込み、固定することでしっかりとした強度と安定感を実現しました。
シェルの内部には “ガラス繊維強化ナイロン” といった、優れた強度と高い減衰性のある素材を用いてしっかりと補強が組まれています。
環境へ配慮した素材の選定
チェアはシェルとレッグの 2 パーツに分解可能となっており、リサイクルができる仕組みになっています。そして、プラスチックモデルのシェル、パディングチェアのフォームは粉砕し再利用が可能な素材となっています。
またスチールパイプのベースを含め、全ての金属パーツも再利用可能な素材を使用しており、環境への配慮が施されています。
SIZE
最長20年のメーカー保証付き
長く安心してお使いいただくため、ドロップチェアには通常5年のメーカー保証期間があります。
さらに、商品購入後フリッツハンセン社のメーカーホームページ「マイフリッツ・ハンセン」からメンバー登録をして頂き、製品をご登録いただくと、最長20年に保証期間を延長することができます。
長期間の保証がつけられるのは、品質に自信があるからできること。デザイン、座り心地だけでなく、丈夫で長く使えるというところもドロップチェアをおすすめしたい理由なのです。保証期間が過ぎた後でも、万が一の場合はパーツ交換などに対応しておりますので、安心してお使いいただけます。
まとめ
しずく型の個性的なフォルムとコンパクトなサイズが魅力のドロップチェア。スペースは少ないけど見た目にこだわりたいリビングダイニングのワークスペースやドレッサーにピッタリなチェアです。
改良された専用シートクッションを組み合わせることで、座り心地も快適になります。
お部屋のワンポイントにドロップチェアを取り入れて空間をスッキリと見せ、心地よい時間を過ごしてみてはいかがでしょうか?