機能的でスタイリッシュなフロアランプ「KAISER idell(カイザー・イデル)」”6556F”
「カイザー・イデル」は、ドイツのバウハウス(世界初の総合的なデザイン教育を行った機関)の金属工房の主任を務めたドイツ人デザイナーの『クリスチャン・デル』が、1963年にデザインしました。フロアランプやテーブルランプ、ペンダントランプといった幅広い展開を見せるカイザー・イデルの照明シリーズから、今回は角度が調整できるおすすめのフロアランプ「6556F」についてご紹介いたします。
滑らかな曲線が創り出す、あたたかみのあるフォルム
フロアランプ「6556F」の象徴的なポイントは、丸っこいシェードの形です。シェードの形はもちろんですが、よく見ると接合に用いている金属の部材も全て角のないデザインで統一されています。
カイザー・イデルの照明シリーズをデザインしたクリスチャン・デルは、かつて銀細工職人としてバウハウスのメタル工房の主任を勤めていました。そのため、シェードの素材にスチールを用いて滑らかなカーブを創り出し、金具の加工まで視野に入れた美しいデザインが実現しました。
スタイリッシュで味わい深い佇まい
球、円、円柱といったシンプルな形を組み合わせ、色味もあまり主張しないデザインだからこそ、見れば見るほど味わい深い魅力が感じられます。
「6556F」モデルには6色(ホワイト、ブラック、マットブラック、イージーグレー/真鍮、ベネチアンレッド、オリーブグリーン)のカラー展開があります。マットなタイプはマットブラック、イージーグレー/真鍮、艶があるタイプはホワイト、ブラック、ベネチアンレッド、オリーブグリーンとなります。
中でもお部屋のインテリアに合わせやすいイージーグレー/真鍮は、艶を抑えた仕上がりになっており、気品のある印象になっています。マットなタイプはシェードがすべすべとした手触りで、スチールの程よい光沢を残した質感になっており、指紋も付きにくく美しい状態を保つことができます。
シェードの上部にはデザイン当初のオリジナルモデルと同様に"ORIGINAL KAISER idell"の刻印が入っています。
カイザー・イデルの新色 ベネチアンレッド・オリーブグリーン
イタリアのVOGUE(ヴォーグ)やELLE(エル)などの編集者として活躍した『カルラ・ソッツァーニ』が監修したベネチアンレッドとオリーブグリーンの2色が新たに加わりました。美しい艶感のあるハイグロス仕上げとなります。
チルト機能付きで、角度調整が可能
「6556F」には、手元灯として利用しやすいようにチルト機能がついています。アームが前後最大33度(後ろに15度、前に18度)角度調整が可能です。シェードは前後左右の角度調節が可能です。これらの調整は力を掛けなくても動かしやすく、固定するときはしっかりと固定されます。
リビングで3つの使い方ができるフロアランプ
読書をするときは、しっかりと手元の灯りを確保でき、リラックスしたいときはアームを遠ざけ光の強弱が調整できます。
シェードの角度も調整可能なため、壁面を照らしてあげると簡単な間接照明としても使用できます。直径Φ210mmの広めのシェードから光が広がり、柔らかい光で壁面を照らしてくれます。夜はシーリングライトを消して、カイザー・イデルの灯りだけでリラックスした自分だけの時間を過ごしてみませんか。
カイザーは一体型のデザインなので移動の際にパーツが外れる心配がなく、重量は5.2kgと軽いため、女性でも手軽に移動できます。そのためソファ、ラウンジチェア、デスクと様々なシーンに合わせた使い方ができます。
角度調整が可能なフロアランプと言えば、アームを途中で屈折させて光源を調整するデザインが多く見られます。このようなデザインのフロアランプは使いやすいですが、少々事務的な印象になってしまいます。カイザー・イデルは主張しすぎないデザインだからこそ様々なシーンで使え、優しい雰囲気のお部屋にしたい方におすすめのフロアランプです。
フロアランプ 6556Fと6580Fの違い
「6556F」は、チルト機能がついているので、手軽に自分の好きな角度にアームを動かすことができます。
このタイプはシェード、アーム、土台がすべて同じ色で構成されているので、シンプルながらも他のインテリアにそっと寄り添ってくれます。また、丸みを帯びたデザインでアームが斜めになっているため、柔らかいフォルムのソファやパーソナルチェアと相性が良いです。
「6580F」は、高さ調整・回転機能付きになっているため、デスクランプにも併用が可能です。
シェードと土台を繋ぐアーム部分がスチールなら、すっきりとシャープな印象を。真鍮(無塗装)なら、経年変化により味わい深い印象を与えてくれます。スチールや真鍮のアームがベースから直線的に伸びているため、すっきりとしたラインのソファやパーソナルチェアとの相性が良いです。
また、様々な部分にスチールや真鍮が使われており細部まで『クリスチャン・デル』のこだわりを感じる仕上がりとなっています。
KAISER idell(カイザー・イデル)とは
「KAISER idell(カイザー・イデル)」は1931年にドイツ人デザイナー『Christian Dell(クリスチャン・デル)』が、デザインを手掛けたドイツを代表するデザイン照明シリーズです。クリスチャン・デルは、1926年のはじめ、ランプ工場であったGebr. Kaiser & Co.のための照明をデザインし、KAISER idellシリーズは誕生しました。卓越した職人技術と慎重な素材選びによって、カイザーイデルは最高級の品質と美しさ、耐久性を実現し、ドイツデザイン照明の象徴となりました。KAISER idellの 「KAISER(カイザー)」はランプのオリジナルの製造メーカー名から、「イデル(idell)」はデル自身の名前にアイデア "Idea"を掛け合わせて作られました。
KAISER idellの照明シリーズは1931年にデザインされ、1950年に一旦販売が終了していましたが、2011年にフリッツハンセンから当時のデザインや機能性はそのままに、オリジナルを忠実に再現し、復刻されました。
『Christian Dell(クリスチャン・デル)』 1893-1974年
クリスチャン・デルは、1893年にドイツで生まれました。 銀細工師兼デザイナーのクリスチャン・デルは、1922年から25年の間、デザインを専門とする初めての大学として設立し数多くの優れたデザイナーや建築家を輩出した、バウハウスの金属工房の主任を務め、革新的で先駆けたデザインを生み出す現場を支えました。
1926年、彼はネハイムヒュステンのランプ工場Gebr. Kaiser & Co.(カイザー社)の照明デザインを主に手掛けていました。1936 年に発行されたカイザー社初のカタログに掲載されたテーブルランプ 6631 Luxusは、瞬く間にカイザー・イデルシリーズの大人気アイテムとなりました。このランプは現在でも、気高いドイツデザインと厳選された素材選び、そして精密技術のシンボルとして親しまれています。
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