代えのきかないアクセント。知る人ぞ知る名作スツール「PK33」
PK33は、ポール・ケアホルムの世界観が凝縮された名作スツールです。
“レザーのクッション・合板の板座・スチールベース”のたった3つのパーツを、ゴム製のリングでつなぎ合わせた究極にシンプルな構造。
柔らかな曲線美の3本脚からは、さりげない優しさが漂います。
ひとたび腰を掛ければ立ち上がりたくなくなるような、ゆったりとしたかけ心地。
重心が低いため視線の先が広がり、くつろいだ空気感で包み込んでくれます。
▲台座とスチールベースの間には絶妙なすき間があり、浮遊感のあるデザイン。
ポール・ケアホルムは「自分が心から愛用できる家具だけを作る」という精神のもと、つくった家具を自邸で実際に使い、納得したものだけを世に送り出しました。
PK33も、冬は暖炉の前で炎のゆらぎを見つめたり、夏にはテラスで腰かけ、海を眺めながら波の音を楽しんだりして、愛用していたそうです。
「その場の空気を変える研ぎ澄まされた美しさ」と「くつろぎ感溢れる座り心地」を高次元で両立した唯一無二の家具。
そんなPKシリーズは、ポール・ケアホルムという名匠の思考やモノづくりへの愛情を、いつでも感じさせてくれます。
PK80(デイベッド)やPK22(ラウンジチェア)など、PKシリーズを基調としたリビングスペースの、仕上げの1ピースともいえるPK33。
北欧家具を愛する人が最後にたどり着く、知る人ぞ知る珠玉の作品です。
PK愛好家がひそかに揃えるマスターピース
どんなシーンにも寄り添う、万能で唯一無二のスツール
スツールは、小さいけれども万能で、暮らしに広がりを与えるアイテムです。
持ち運びが気軽にできて、様々な使い方ができる万能な椅子。
ラウンジチェアと併用してオットマン(足置き)にしたり、ウッドデッキで腰かけ、季節の植物を眺めたり。
玄関に置けば、朝には自分を送り出し、夜には出迎えてくれる、家の「顔」になってくれます。
PK33は、そういった何気ない普段の暮らしに彩りを与えてくれる、ユニークで美しいフォルムのスツールです。
細やかな暮らしのワンシーンにそっと寄り添い、丁寧で品のある時間に変えてくれます。
スツール界No.1。考え抜かれた座り心地
なんといっても驚くべきは、その座り心地。
クッションを支えるプライウッドの台座はすり鉢状に傾斜がついており、座るとやさしく包み込まれるような感覚。
台座が木材という自然素材でできていることも、座った感触をさりげなく和らげてくれます。
台座の中央はドーナツ状に穴が開いていて、お尻が底当たりしないような設計になっています。
そのため、ソファやラウンジチェアに座っているのと遜色ないぐらい固さを感じない心地よさで、背もたれがなくても、長時間疲れずに座ることができます。
座面は広く(直径53cm)、ゆったりと余裕をもって座れるうえ、座面の高さが34cmと重心が低く、床を近く感じるため、よりくつろいだ気分が感じられます。
▲座面が広いので、手を掛けてレザーの質感を楽しみながら座れます。
手で体を支えられるので、ラクに立ち上がれます。
スツールは利便性に目が行きがちですが、PK33ほど座り心地まで考え抜かれて作られているものは他にはなかなかありません。
「人が使ってはじめて、その魅力が最大限に生かされる」というケアホルムの美学が伝わってくるようです。
ポール・ケアホルムの世界観溢れる、洗練された空間に
ポール・ケアホルムは、初めてデザインしたPK25から最晩年にいたるまで、ブレずに一貫した美的感覚と哲学をもって、作品を作り続けました。
空間に余白と広がりをもたらす、重心の低さ。
選び抜かれた素材の魅力が最大限に生かされた、ミニマルなフォルムと描かれる線の美しさ。
PKシリーズは、組み合わせることでより一層ケアホルムの世界観が表れ、決して主張しすぎない自然美を湛えた、唯一無二の空間が完成していきます。
PK33は、PK22(ラウンジチェア)やPK61(コーヒーテーブル)などをお使いの方から、「リビングの仕上げはこれしかない!」といったお声をよくお聞きします。
リビングシーンに迎えることで、絶妙なアクセントとなり、遠近感が生まれて空間に奥行きが広がります。
PK愛好家が最後に手を伸ばす、マスターピースというべき作品です。
細部までつくりこまれたデザイン ~完璧主義者ポール・ケアホルムのこだわり~
ケアホルムが目指したもの - 異素材の調和と明瞭な構造 -
「私が表現しようとするのは、素材自身の言葉なのです。」
そんな言葉を残したように、ポール・ケアホルムは家具に使用する素材を生涯探求したデザイナーです。
PK33を作る過程でも、彼はスケッチの段階からあらゆる素材の可能性・組み合わせについて試行錯誤を重ねました。
そしてたどり着いたのが、レザー・プライウッド・スチールという3つの異素材の組み合わせ。
どれも最上の品質のものを使い、レザーのクッションが優しく人肌を迎え、プライウッドの台座が包み込むように受け止め、スチールのベースが安定して体重を支えつつ、シャープなフォルムを崩さない。
このように、素材がそれぞれの持ち味を最大限に発揮し、ひとつの家具の中で構造として生かされることこそ、ポール・ケアホルムの真骨頂と言えるでしょう。
またPKシリーズの多くは、組み立て・分解が可能です。
PK33も、クッション・台座・スチールベースが3つのゴム製のリングで固定されているという極めて明快な構造です。
このように組み立て・分解が可能なシンプルな構造にすることで、各パーツに余計な力が加わらず、家具全体の耐久性が高くなっています。
また、お手入れがしやすく、パーツの交換も可能なので、まさに「一生使える家具」と言えます。
▲黒のゴム製のリングで台座とスチールベースを固定。
大人の男性が引っ張ってもなかなか伸びないほど、抜群の強度と耐久性をもっています。
▲クッション裏の革のタブをゴム製リングにはめ込んで固定しています。
▲クッションを外せば、台座&ベース部分はスタッキングできます。
選び抜かれたレザーのクッション
PK33でひときわ目を惹くのが、やはりレザーのクッション。
PKシリーズには、「この世で手に入れられる1番いいものを使う」というケアホルムの遺志を継いで、世界トップレベルのレザーメーカーであるソーレンセン社のレザーが使われています。
美しさと耐久性を兼ね備え、「ありのまま」の自然な風合いが年を重ねるごとに増していきます。
クッション中芯には、厚みの違うフェルトが2枚、コットンウール地に包まれています。
一番美しい厚みで、座り心地も抜群になるように、外からは見えないところまで徹底的に考え抜かれています。
▲クッション裏に見えるコットンウール地(グレーの部分)も、ずっと触っていたいほど肌触りの良い上質な生地を使用しています。
また、縫い目も正確無比で美しい。普段は見えないところまで、熟練の職人技が注ぎ込まれています。
クッション中央のボタン留めの小ささも絶妙で、似た構造のPK80のボタンが約15mmであるのに対し、PK33のボタンは約11mmと、あえて微妙に変えています。
円周のパイピングも端正に仕上げられており、クッションの輪郭から浮遊感すら感じられます。
見た目の彫刻的な美しさに対しても、細部まで一切の妥協を許さなかったケアホルムのこだわりが伝わってくるようですね。
クラフトマンシップの結集 マットクロームスプリングスチールの脚部
スチールのベースも、ケアホルムのこだわりが詰まったポイントです。
PK33は3本脚が特徴的ですが、3本の脚が一点で溶接され、完全に一繋ぎになっています。
少しでも角度がずれれば脚の高さが揃わなくなるような、緻密な精度で溶接され、その形跡が全く分からないぐらい滑らかに仕上げられており、技術の高さがうかがえます。
▲3本の脚が一繋ぎになっていることで、座った時にしなやかな弾性がほのかに感じられ、座り心地の良さを高めています。
スチールの脚は丸いチューブ状ではなく平たいフラットバーで、座面の形状に沿って成形されており、かつ座面の高さが34cmと重心が低いため、3本脚でも転倒の可能性は無いように設計されています。
また、脚先には黒のグライドが付いています。
もちろん、床傷防止や転倒防止といった効果のあるとても実用的なパーツですが、その造形まで、ケアホルムはこだわり抜きました。
どんな些細なパーツも、どの角度から見ても、洗練された美しさをもつように設計されていて、思わずうっとりしてしまいます。
▲グライドの幅はスチールより小さく設計されており、凛とした佇まいを決定づけています。
▲グライドの側面は覆わず、スチールの洗練された空気感を脚先まで感じさせてくれます。
▲脚裏の造形まで美しい。
スチールにはマットクローム仕上げが施されており、通常のクローム仕上げのようにツルツルの鏡面ではなく、艶消しのマットな質感となっています。
錆や色褪せを防ぎつつ、光の反射は抑えることで、スチールがもつ風合いをよりしとやかに感じられ、お部屋の落ち着いた雰囲気を高めます。
フローリングや木製家具とも自然と調和します。
仕上げにまで徹底的にこだわったポール・ケアホルムの完璧主義者ぶりが伝わってきますね。
デザイナー:ポール・ケアホルムの美学
ポール・ケアホルムは、1929年にデンマーク北西部の田舎町で生まれました。
15歳で家具職人に弟子入りし、18歳でキャビネットメーカーのマイスターの称号を取得。
ハンス J. ウェグナーのもとで様々なことを学び、バウハウスからも大きな影響を受けていました。
デンマークのクラフトマンシップの精神を継承しながらも、型にはまらない異色の才を示し続け、北欧モダン家具の歴史に大きく名を残したデザイナーです。
PKシリーズは、51歳という若さで早世したケアホルムに敬意を表し、1982年からフリッツ・ハンセンによって製造が開始されました。
彼の生み出した名作の数々は時代を超えて多くのファンに愛され、現代の名だたるデザイナーや建築家たちからも、非常に高い評価を得ています。
時間と空間をつくる家具デザイン
ポール・ケアホルムは、自らを「家具建築家」と称することを好みました。
彼は“ただ通り過ぎるだけでなく、明確な人間関係が構築される空間”を目指し、家具が空間に与える作用と、そこで生まれる人間の営みまでをも見据えて、ひとつひとつの家具を設計していったのです。
▼生前の自邸の写真 奥:PK11(チェア) 手前:PK31(ソファ)
ケアホルムのデザインは、徹底的に無駄をそぎ落とし、
構造を明確にすることで素材ひとつひとつの美しさが際立っています。
“家具が明晰な美しさを持っていれば、そこで過ごす人々の関係性も風通しの良い澄んだものになる”
そんなことを彼は考えていたようです。
美の追求
PKシリーズには、ポール・ケアホルムによる徹底的な美の追求が見てとれます。
家具は暮らしの中で、一般の多くの人に使われる実用的な工業製品です。
しかし同時に、ケアホルムは家具をつくるうえで、自らの美学を表現することにも一切の妥協を許しませんでした。
“美的感覚やデザインに価値を感じないのなら、段ボールに座っているようなものだ”
ケアホルムの家具デザインの背景には、このような確固たる哲学がありました。
▼1952年 チューリッヒの応用美術展の写真(右奥にPK25、手前にはPK60が並べられ、左奥にはPK0の座面が裏返しで吊り下がっている)
ポール・ケアホルムの大きな功績の一つは、それまで家具製作にあまり使われてこなかった木以外の素材を、非常に美しく機能的な素材としてデザインに取り入れたことです。
PKシリーズを象徴する代表的な素材は「スチール」。
ケアホルムは、“木材やレザーと同様に、スチールも風合いを増してゆく芸術的な素材だ”と考えました。
その厚みや表面の加工方法にいたるまで何度も試行錯誤をくり返し、無機質で冷たい素材と思われていたスチールが、本当は木にも劣らない美しい素材であることを示したのです。
▼森の写真パネルを背景に、PK22のフレームがずらり。ケアホルムが自然と調和するデザインを追い求めていたことがわかる1枚。
ケアホルムの作品は、他の木製家具とは異質な素材とデザインでありながら、有機的で、どこか自然の美を感じさせる豊かな表情をもっています。
そこには、“美しさの基準は自然界にある”と常に考えていた、彼の自然への憧憬が表れています。
卓越したセンスで描かれた曲線美。選び抜かれた素材のなめらかな手ざわり。澄明な構造と生き生きとしたプロポーション。
木々の伸びやかな幹や枝のような、自然の中に遥か昔から息づいている根源的な美しさを、家具デザインを通して私たちに伝えてくれているように思えます。
リ・デザインの精神
ケアホルムは、偉大な先人のデザイナーや建築家に敬意を払い、彼らの作品を熱心に研究していました。
そのうえで、より一層そのデザインの本質に迫り、洗練されたものを生み出そうとする「リ・デザイン」の精神で、先人たちを超えていこうと常に挑戦していたのです。
また、レザークッション・プライウッドの台座・スチールベースというPK33の構造は、PK80と同じであり、彼が自分自身の作品にも常に向き合い、インスピレーションを膨らませながら新しい可能性を常に探っていたことが感じられます。
関わりのあったオーレ・ヴァンシャーやハンス J. ウェグナーといった北欧モダンの先駆者や、ミース・ファン・デル・ローエをはじめとするバウハウスの偉大な先人たちから大きな影響を受け、伝統と歴史の流れにしかと身を置きながら、常に新しい価値を生み出し続けたポール・ケアホルム。
彼の作品には、デンマーク家具の歴史と一人の人間の生き様が深く刻み込まれています。
ポール・ケアホルムについてもっと知りたい方はこちら
PK33のコーディネート例
PKシリーズの最高峰のアイテムにも負けない、静かな存在感
▲PK33(手前)・PK25(左,ラウンジチェア)・PK31(正面奥,ソファ)・
PK61(右奥,コーヒーテーブル)
PKの系譜を受け継ぐフリッツ・ハンセンの他の家具との相性も◎
▲PK33(手前)・LISSONI(奥・右手前,ソファ)・PLANNER COFFEE TABLES MC350(中央,コーヒーテーブル)
重心が低いので、「間」を大事にする和室空間でも、その趣を引き立てます
▲PK33(手前)・PK80(左,デイベッド)・PK61(中央,ローテーブル)・PK4(右奥,ラウンジチェア)
サイズ
高さ 34cm / 直径 53cm
※座面の中心部分は34cmよりもやや低めになっています。
張地・カラーバリエーション
CONNECTのおすすめは「オーラレザー(ダークブラウン)」または「グレースレザー(ウォルナット)」です。
オーラレザーとグレースレザーはどちらも厳選されたフルグレインレザー(表面に天然の凹凸が入った最上級の本革)ですが、仕上げの加工が異なります。タフさを求める方にはオーラレザー、自然な風合いと豊かな表情の変化を味わいたい方にはグレースレザーがおすすめです。
オーラレザー
ブラック
ダークブラウン
ウォルナット
コニャック
オーラレザーは保護コーティングが施されているため、汚れに強く、お手入れもしやすいという特徴があります。
オーラレザーの4色のなかでCONNECTがおすすめするのは、ブラックよりもほのかに柔らかな風合いの「ダークブラウン」です。
上品で落ち着いたレザーの表情がしっかりと感じられるうえに、コントラストが強すぎないので空間にほどよく馴染み、他の家具を引き立てます。PK22など他のPKシリーズと組み合わせれば、その魅力がより一層際立つでしょう。
グレースレザー
ブラック
ダークブラウン
ウォルナット
チェスナット
グレースレザーはベジタブルタンニン(植物由来のオイル)でなめされているため、レザー本来のなめらかな手ざわりが魅力的です。 未加工の自然な表面のためナチュラルマーク(皮本来のシワなどの模様)があり、時間の経過とともに美しい自然なツヤが生まれます。
なかでもCONNECTがおすすめするカラーは「ウォルナット」です。切り株を思わせるようなナチュラルで愛らしい佇まいとなり、柔らかな陽光の似合うリビングルームに仕上がります。木が年を経るごとに風合いの深みを増していくように、レザーの豊かな経年変化を感じたい方に最適です。
PK33その他の張地
エンブレイスレザー
チョコレート
コンクリート
ラスティックレザー
ラスティック
ナチュラルレザー
ナチュラル
キャンバス
ナチュラル
FRITZ HANSENの公式サイトにて、カラーのシミュレーションやAR機能を使った設置想定ができます。
ぜひお試しください。
https://www.fritzhansen.com/ja/categories/by-series/pk33/pk33
お手入れの仕方・お取り扱いの注意点
■マットクローム仕上げスチール(脚部)
https://www.fritzhansen.com/ja/sales-support/care-and-maintenance/chrome
■レザー(座面)
https://www.fritzhansen.com/ja/sales-support/care-and-maintenance/leather
在庫状況・納期・搬入について
PK33は現在国内在庫がなく、海外からの取り寄せとなっております。
納期の目安は約5か月です。
組み立て済み・段ボール梱包にてお届けいたします。