時間と空間を生かすデイベッド。ポール・ケアホルムの名作、PK80
PK80は、印象的なプロポーションでお部屋を特別な空間に変える、時代を超えて愛される「デイベッド」です。
そこにあるだけで目をひく圧倒的な存在感がありながら、自然の美を感じさせる静かな佇まい。
ポール・ケアホルムの代表作であるPK22(ラウンジチェア)・PK61(ローテーブル)に続いてデザインされた、名作のひとつです。
世界に名高いニューヨーク近代美術館(MoMA)では、モネの名画『睡蓮』の前に、PK80が整然と並んでいます。
他にも数々の由緒あるアートスペースに採用されており、空間にそっと寄り添う美しい姿が、
優れた審美眼をもつ建築家や芸術家に高く評価されています。
▼日本でも国立新美術館(NACT) などに採用されています
PK80のまわりにはいつも豊かな時間が流れています。
ポール・ケアホルムの家具は、人が使ってはじめて、その魅力が最大限に生かされる作品です。
体感すればするほど、そこで過ごすあなただけの時間が愛おしくなっていくでしょう。
そこにあるだけで、お部屋を変えるPK80
時間の流れを変えるデイベッド
そもそも「デイベッド」とは?
デイベッドは、背もたれやアームのないソファのような家具です。
前後どちらからでも座ったり寝転がったり、様々な使い方ができます。
ちょっと腰かけて一休み。あるいは食後のお昼寝タイム。
家族や友人と過ごす和やかな時間も、そこで生まれます。
同じ向きに並んでお喋りしてもよし、反対向きに腰かけて別々の趣味にふけってもよし。
PK80は、そこにいる人にそっと寄り添い、ゆるやかな時の流れをあたえてくれます。
圧倒的な安定感と耐久性
PK80に一度座ると実感するのは、どっしりと受け止めてくれる安定感。
幾何学的で洗練されたデザインの印象ほど固くはなく、かといって柔らかすぎません。
座っても寝そべっても、まるで優しいお父さんゾウの背中に乗っているかのような安心感が生まれます。
その第一の秘訣は、マットレスに張られたレザー。
PK80には、「この世で手に入れられる1番いいものを使う」というケアホルムの遺志を継いで、
選び抜かれた最高の品質のレザーが使われています。
美しさと耐久性を兼ね備え、「ありのまま」の自然な風合いが年を重ねるごとに増していきます。
また、マットレスの芯材には、天然繊維とラテックス(天然ゴムの樹液が原料)からなる「ヘアーロック※」という素材が使われていて、
半永久的なクッション性があり、使えば使うほどしっとりと馴染んでくる掛け心地になっていきます。
10年、20年、と使い続けても中材の変化が少なく、レザーの表情は奥ゆかしい味わいが増していき、まるで家族のような存在となるでしょう。
毎日「もう一回座りたい」と思わせてくれる、そんな作品です。
※獣毛にラテックスを混入し乾燥硫化させた椅子張りの充填材
景色を生かす、余白の美
PK80は、床から座面までが30cmという、座高の低さが大きな特徴です。
ポール・ケアホルムがこだわったこの「絶妙な重心の低さ」は、空間に余白を生み、広々と奥行きのある印象をお部屋にあたえてくれます。
視界をさえぎらない一方で、格別な存在感もあわせ持つ、PK80。
大きな窓の前に置くと、その先の景色が美しく生かされ、自分だけの絵画的なワンシーンが広がります。
ニューヨーク近代美術館のように、PK80越しにお気に入りのアート作品を眺めるのも最高です。
細部までつくりこまれたデザイン ~完璧主義者ポール・ケアホルムのこだわり~
マットレスのパイピング
PK80のマットレスの表面は、パイピング(丸く縫い込んで耐久性を上げる装飾技法)によって18個の長方形に分割されています。
ケアホルムは緻密な計算によって、中央の長方形の幅をわずかに狭め、パイピングの深さの比率も徹底的に調整することで、
どの角度から見ても、均整がとれた美しい外観にみえるように仕上げました。
PK作品の美しいプロポーションには、人間のものの見え方に対する彼の探求心が表れています。
接合部分まで美しい
きわめて明瞭な構造美は、PKシリーズすべてに共通する大きな特長です。
PK80は、レザーマットレス・台座の合板・ステンレスの脚といった数少ない構成要素の組み合わせでできています。これほどシンプルなのに美しいのは、緻密な計算にもとづく設計と厳選された上質な素材だからこそ。
異なる素材がそれぞれの魅力を引き立てあい、完全に調和している様も実に見事です。
各パーツの接合部分に注目してみると、ケアホルムのこだわりがひしひしと伝わってきます。
脚と台座を支えるフレームは、黒いステンレス製の直方体のジョイントでつながれており、そこに使われているネジの大きさ・形状にいたるまで、ケアホルムは考え抜きました。
彼の家具はどこを切りとっても、現代アートのような趣が感じられます。
ステンレスのフレームと台座の合板はゴム製のOリングでつながれ、リング上部に革製のタブを差し込んでマットレスが固定されています。
このOリングは、ケアホルムが取り入れた画期的なパーツ。
とてもしっかりとした特別なゴムで、長年使ってもズレの生じない抜群の強度と安定性をもっています。
組み立て・分解が可能なシンプルな構造にすることで、各パーツに余計な力が加わらず、家具全体の耐久性が高くなります。
また、お手入れがしやすいというのも嬉しいポイントです。
エレガントなステンレスの脚部
PK80は、厚く大きなマットレスと、細くすらっとした脚部のコントラストがとても印象的です。
脚部に注目すると、床につくコの字のフレームと、合板を支える直線のフレームの間に隙間を作ることで、絶妙な浮遊感が生まれています。
マットレスとステンレスの脚部は密度のつまった頑丈な素材でできているため、ずっしりとした重量感があるのに、
見た目は軽やかでスタイリッシュ。重たさを感じさせません。
ケアホルムは、一つの家具が部屋全体にあたえる影響について常に考え、
各パーツの厚みや構造の見え方まで緻密に計算をくり返し、シャープで美しい空間をつくる家具を完成させたのです。
また、ステンレスには「サテン仕上げ」という、表面をマットな質感に仕上げる加工が施されています。
サテン仕上げにすることで表面の光が乱反射し、上質な落ち着いた光沢が生まれます。
この加工法は高級時計のブレスレット等にも使用されていて、熟練の職人による高度な技術が必要です。
新たな傷が目立ちにくいといった特性もあるため、安心して長く使うことができます。
デザイナー:ポール・ケアホルムの美学
ポール・ケアホルムは、1929年にデンマーク北西部の田舎町で生まれました。
15歳で家具職人に弟子入りし、18歳でキャビネットメーカーのマイスターの称号を取得。
ハンス J. ウェグナーのもとで様々なことを学び、バウハウスからも大きな影響を受けていました。
デンマークのクラフトマンシップの精神を継承しながらも、型にはまらない異色の才を示し続け、
北欧モダン家具の歴史に大きく名を残したデザイナーです。
PKシリーズは、51歳という若さで早世したケアホルムに敬意を表し、
1982年からフリッツ・ハンセンによって製造が開始されました。
彼の生み出した名作の数々は時代を超えて多くのファンに愛され、
現代の名だたるデザイナーや建築家たちからも、非常に高い評価を得ています。
時間と空間をつくる家具デザイン
ポール・ケアホルムは、自らを「家具建築家」と称することを好みました。
彼は“ただ通り過ぎるだけでなく、明確な人間関係が構築される空間”を目指し、
家具が空間に与える作用と、そこで生まれる人間の営みまでをも見据えて、ひとつひとつの家具を設計していったのです。
▼生前の自邸の写真 奥:PK11(チェア) 手前:PK31(ソファ)
ケアホルムのデザインは、徹底的に無駄をそぎ落とし、
構造を明確にすることで素材ひとつひとつの美しさが際立っています。
“家具が明晰な美しさを持っていれば、そこで過ごす人々の関係性も風通しの良い澄んだものになる”
そんなことを彼は考えていたようです。
美の追求
PKシリーズには、ポール・ケアホルムによる徹底的な美の追求が見てとれます。
家具は暮らしの中で、一般の多くの人に使われる実用的な工業製品です。
しかし同時に、ケアホルムは家具をつくるうえで、自らの美学を表現することにも一切の妥協を許しませんでした。
“美的感覚やデザインに価値を感じないのなら、段ボールに座っているようなものだ”
ケアホルムの家具デザインの背景には、このような確固たる哲学がありました。
▼1952年 チューリッヒの応用美術展の写真(右奥にPK25、手前にはPK60が並べられ、左奥にはPK0の座面が裏返しで吊り下がっている)
ポール・ケアホルムの大きな功績の一つは、それまで家具製作にあまり使われてこなかった木以外の素材を、非常に美しく機能的な素材としてデザインに取り入れたことです。
PKシリーズを象徴する代表的な素材は「スチール」。
ケアホルムは、“木材やレザーと同様に、スチールも風合いを増してゆく芸術的な素材だ”と考えました。
その厚みや表面の加工方法にいたるまで何度も試行錯誤をくり返し、
無機質で冷たい素材と思われていたスチールが、本当は木にも劣らない美しい素材であることを示したのです。
▼森の写真パネルを背景に、PK22のフレームがずらり。ケアホルムが自然と調和するデザインを追い求めていたことがわかる1枚。
ケアホルムの作品は、他の木製家具とは異質な素材とデザインでありながら、
有機的で、どこか自然の美を感じさせる豊かな表情をもっています。
そこには、“美しさの基準は自然界にある”と常に考えていた、彼の自然への憧憬が表れています。
卓越したセンスで描かれた曲線美。選び抜かれた素材のなめらかな手ざわり。澄明な構造と生き生きとしたプロポーション。
木々の伸びやかな幹や枝のような、自然の中に遥か昔から息づいている根源的な美しさを、
家具デザインを通して私たちに伝えてくれているように思えます。
リ・デザインの精神
ケアホルムは、偉大な先人のデザイナーや建築家に敬意を払い、彼らの作品を熱心に研究していました。
そのうえで、より一層そのデザインの本質に迫り、洗練されたものを生み出そうとする「リ・デザイン」の精神で、
先人たちを超えていこうと常に挑戦していたのです。
PK80も、ミース・ファン・デル・ローエとリリー・ライヒが1930年にデザインしたカウチソファをモデルに制作されました。
関わりのあったオーレ・ヴァンシャーやハンス J. ウェグナーといった北欧モダンの先駆者や、
ミース・ファン・デル・ローエをはじめとするバウハウスの偉大な先人たちから大きな影響を受け、
伝統と歴史の流れにしかと身を置きながら、常に新しい価値を生み出し続けたポール・ケアホルム。
彼の作品には、デンマーク家具の歴史と一人の人間の生き様が深く刻み込まれています。
ポール・ケアホルムについてもっと知りたい方はこちら
PK80のコーディネート例
シックで落ち着いたお部屋に
▲PK80(左)・PK31(右,ソファ)・PK61(中央,ローテーブル)・
KAISER idell(右手前,フロアランプ)・KAISER idell(奥,テーブルランプ)・Jut Cabinet(奥,キャビネット)
KASTHALL / TERRAZZO(下,ラグ)
和室にも絶妙にマッチ
▲PK80(左)・PK22(右手前,ラウンジチェア)・PK0A(右奥,ラウンジチェア)・
PK61(中央,ローテーブル)
LE KLINT / LAMELLA1(上,ペンダントライト)・KASTHALL / TERRAZZO(下,ラグ)
サイズ
高さ30cm / 幅80cm / 長さ190cm
張地・カラーバリエーション
CONNECTのおすすめは「オーラレザー(ブラック)」または「グレースレザー(ダークブラウン)」です。
オーラレザーとグレースレザーはどちらも厳選されたフルグレインレザー(表面に天然の凹凸が入った最上級の本革)ですが、仕上げの加工が異なります。タフさを求める方にはオーラレザー、自然な風合いと豊かな表情の変化を味わいたい方にはグレースレザーがおすすめです。
オーラレザー
ブラック
ダークブラウン
ウォルナット
コニャック
オーラレザーは保護コーティングが施されているため、汚れに強く、お手入れもしやすいという特徴があります。
オーラレザーの4色のなかでCONNECTがおすすめするのは、PK80のフォルムのシャープさが最も生きる「ブラック」です。上品で落ち着いたレザーの表情と、そぎ落とされた美を物語るステンレスの見事なコントラストが空間に浮かび上がります。
グレースレザー
ブラック
ダークブラウン
ウォルナット
チェスナット
グレースレザーはベジタブルタンニン(植物由来のオイル)でなめされているため、レザー本来のなめらかな手ざわりが魅力的です。
未加工の自然な表面のためナチュラルマーク(皮本来のシワなどの模様)があり、時間の経過とともに美しい自然なツヤが生まれます。
なかでもCONNECTがおすすめするカラーは「ダークブラウン」です。ブラックの中に見え隠れするブラウンの奥深い色合いはレザーの豊かな経年変化を感じたい方に最適です。
PK80その他の張地
エンブレイスレザー
チョコレート
コンクリート
ラスティックレザー
ラスティック
ナチュラルレザー
ナチュラル
キャンバス
ナチュラル
FRITZ HANSENの公式サイトにて、張地・カラーのシミュレーションやAR機能を使った設置想定ができます。
ぜひお試しください!
https://www.fritzhansen.com/ja/categories/by-series/pk80/pk80
お手入れの仕方・お取り扱いの注意点
■レザー(マットレス)
https://www.fritzhansen.com/ja/sales-support/care-and-maintenance/leather
レザーのケアキットはこちら
https://www.connect-d.com/c/15/95/1688/uni-lekitp-lm100
■キャンバス(マットレス)
https://www.fritzhansen.com/ja/sales-support/care-and-maintenance/canvas
キャンバスのケアキットはこちら
https://www.connect-d.com/c/15/95/1688/uni-texkit
■ステンレススチール(脚部)
https://www.fritzhansen.com/ja/sales-support/care-and-maintenance/stainless-steel
在庫状況・納期・搬入について
PK80は現在国内在庫がなく、海外からの取り寄せとなっております。
納期の目安は約5か月です。
組み立て済み・段ボール梱包にてお届けし、設置・残材処理まで無料で行います。