PH アーティチョークは、デンマークの首都コペンハーゲンで今も人気あるモダンスタイルのレストラン「ランエリーニュ・パヴィリオン」のために、1958年にデザイナーのポール・ヘニングセンによって考案されました。(現在も同レストランで使用されています。)
それ以来、PH アーティチョークは世界中の公共施設や、住宅の両方で使われています。“光の彫刻”とも称されるそのデザインは、すべてにおいて斬新である一方、まるで自然からインスピレーションを得たかのようなユニークなフォルムが、現代のインテリアにもクラシックなインテリアにも、安定感のある美しさを添えます。
レストラン 『ランエリーニュ・パヴィリオン』店内の様子(1959年)
参照:
Louis Poulsen(2000).「LIGHT YEARS AHEAD - THE STORY OF THE PH LAMP」
キャンドルからPHランプへ、画期的な照明器具の誕生
PH アーティチョークをデザインしたデザイナーのポール・ヘニングセンは、これまでに100種類以上のPHランプを作りました。 灯りと言えばキャンドルやオイルランプだった当時、PHランプは画期的な照明として、建築家やデザイナー達から愛されていました。その後、住宅用の照明として一般的に使われるようになり、現在も世界中で愛され続けています。
参照:
LIGHT YEARS AHEAD THE STORY OF THE PH LAMP(2000).Louis Poulsen
“光の彫刻”と称される、細部までこだわったデザイン
72枚ある羽根は、12列に6枚づつ正確に配置されています。
それぞれの羽根の内側が光を反射して下のシェードを照らし、器具全体が美しく発光して心地よい照明となります。
ヘニングセンが追求した対数螺旋のシェード
ヘニングセンがデザインした照明器具は美しい光のグラデーションが特徴です。 この光の秘密は、巻貝のカーブと同じ“対数螺旋(たいすうらせん)”と言う数学的な形が照明の傘(シェード)に応用されているからです。 対数螺旋のカーブは、下図のように、光がどの角度から当たっても同じ角度で反射します。この仕組みにより、なめらかな光のグラデーションをつくることができるのです。
カラーとサイズのバリエーション
2023年3月現在では、6種類のバリエーションを揃えています。比較的どんなスタイルのインテリアにも合わせやすいです。その中でもデザイン当初からの素材である銅はあたたかみのある雰囲気で一番人気です。
ArtichokeとSeptima
PH Septima(セプティマ)の開発中、ヘニングセンはメタルバージョンも設計しましたが、それは製品化には至りませんでした。それから約30年後、コペンハーゲンのレストラン 「ランエリーニュ・パヴィリオン」のための照明を依頼されると、ヘニングセンはわずか3か月でPH アーティチョークのデザインを完成させました。それは、Septimaのデザイン原案があったからだと言われています。その美しい佇まいは、どこか兄弟のような似た雰囲気があります。
PH アーティチョークを使ったコーディネート
リビングやダイニング、寝室、エントランスなど様々な空間でお使いいただけます。ダイニングで使用する場合は、テーブルサイズにもよりますが、直径480mmと600mmサイズがおすすめです。
吹き抜けの天井がある空間には直径720mm、800mmの大きいサイズを。広々とした空間に華やかさと上質な雰囲気を演出してくれます。
納品事例
Φ480(銅)
Φ480(銅)
Φ480(銅)
当店でご購入いただいたお客様の納品事例です。設置する位置や高さ、施工についてのご相談も可能ですのでお気軽にお問い合わせください。設計事務所、工務店からのお問合せも承っております。
取付/パーツ購入について
電源の工事は専門の電気工事店にご依頼ください。仕様図・取扱説明書のダウンロードはこちらからどうぞ。
保証期間は電球タイプで1年、組込LEDタイプは2年となります。羽根の破損は保証対象外となりますので予めご了承ください。羽根が破損してしまった場合、スペアパーツのご購入も可能です。ご希望の方はお問い合わせください。
「北欧照明の父」ポール・ヘニングセンとは?
Poul Henningsen(ポール・ヘニングセン) 1894-1967年
1894年デンマーク中心部のオードルップに生まれ、高等学校を中退しテクニカル・カレッジで建築工法を学びました。自身の設計事務所をコペンハーゲンに設立後、ルイスポールセン社と協働を始め、複数のシェードから柔らかな光が降り注ぐランプを開発。良質な光を得るための機能的なデザインを生涯にわたり追及し、100種類以上のランプをデザインしました。照明以外にも、ジャーナリスト・アーキテクト・エディター・詩人・ソングライターとして多岐にわたり活動しました。特に彼の辛口の批評は有名で、無視できない論客として当時のデンマーク社会に強い影響力を放った人物です。
ポール・ヘニングセンのデザイン
ポール・ヘニングセンとルイスポールセン社とのコラボレーションは1925年に始まり、1967年に亡くなるまで続きました。ヘニングセンは、1924年にルイスポールセン社と共同で、「3枚シェードシステム」の最初のモデルを描きました。1927年、最初の「PHランプ」を発表します。
1927年当時の写真
参照:
LIGHT YEARS AHEAD THE STORY OF THE PH LAMP(2000).Louis Poulsen
ルイスポールセンのアイコン的存在になっている「PH 5」「3枚シェードのPHランプ」「PH アーティチョーク」など、ポール・ヘニングセンのイニシャル「PH」が名前に付く照明はすべて彼自身がデザインを手がけています。ヘニングセンがデザインした照明器具はすべて、「人間にとって良質な光を与える照明」という彼の哲学が貫かれています。
老舗照明ブランド、ルイスポールセンとは?
北欧デンマークの照明ブランド。創業一族のポールセン一家は1800年代末頃から工具・電気用品の販売を手掛けていました。1924年にパリの博覧会のためにポール・ヘニングセンと共同で開発した照明器具が高い評価を得て、照明器具の発売を開始。これが100種類以上のラインナップを誇るPHシリーズの始まりとなりました。現在では、ルイスポールセンは近代照明のルーツといわれ、世界の照明デザインに大きな影響を与えている"北欧のあかり"となっています。