CH23
CH23は、機能と美しいディテールを兼ね備えたダイニングチェア。ウェグナーが初めてカール・ハンセン&サン社にデザインした椅子シリーズの一つですが、50年以上に渡り生産されていませんでした。1950年に発表されると同時に高い評価を獲得。シンプルな独特の形状表現とウェグナーの職人技巧への造詣が見事に融合した椅子として知られています。
ウェグナーのデザインの中で最もウェグナーらしいチェアCH23
CH23は1950年にウェグナーが初めて、カール・ハンセン&サン社にデザインしていたチェアの1つ。
1見すごくシンプルに見えますが、よく見ると手間のかかる手仕事が随所に隠れているイスなんです。
そのつくりの細かさから生産が難しく、2017年まで北欧ヴィンテージの幻のイスとなっていました。
CH23はウェグナーのデザインの特徴のすべてが詰め込まれており、
ウェグナーのデザインの中でも最もウェグナーらしいチェアとも言われています。
ウェグナーらしさ1 構造をあえて見せる
十字のデザインに見えるのは、背板とフレームをつなぐ結合部分。普通なら隠したい部分。しかしウェグナーはわざと色の違う木を使用し、デザインのポイントにしてしまいます。
ウェグナーらしさ2 どこから見ても美しいカーブ
あらゆる角は丸くゆるやかに削り落とされ、手に触れたとき、木の柔らかさを感じることのできるウェグナーの家具たち。ウェグナーは球体のようにデザインを考えているため、360度どこから眺めても彫刻作品のように美しいのです。
ウェグナーらしさ3 機械仕事の薄く、しなやかな背板
サークルチェア(PP130)の細いフープを機械でつくっているように、機械の方が得意な作業も存在する、というのがウェグナーの考え方。CH23の背板は薄い板を重ねてカーブをつくる、成形合板によりつくられています。薄く、丈夫な美しい背板です。
ウェグナーらしさ4 美しく丈夫な、ペーパーコード編み
座るほどにお尻に馴染み、木フレームとの相性の良いペーパーコード座面はウェグナー作品の中でたびたび登場します。CH23のペーパーコードは2重構造で編まれています。 コードを135mも使い、職人さんが地道に手仕事で編んでいます。通常の編みと比べて、へたりにくく沈み込みの少ないのが特徴です。※ラウンジチェアのCH25でも登場する編み方。
ウェグナーらしさ5 脚貫なしで、脚がスッキリ
ザチェアでも見られるように、座面と脚貫を一体化させるデザインもウェグナーデザインの特徴です。脚貫とは:椅子の脚の間に取り付けて強度を確保する横木のこと。
CH23ではペーパーコードを巻くことで脚貫と座面を一体化させています。この側面の1本がないだけで、スッキリ美しい見た目です。
男女関係なく、座り心地がいいと感じるCH23
▲モデルは身長157cm
ウェグナーのチェアには一通り座ったことのある私ですが、CH23はウェグナーチェアの中で1番、「身体が自然に、楽な姿勢になる。」と感じました。 背中に当たって痛いフレーム部分が見当たらないのです。
さらに面白かったのが、座り心地にはうるさいCONNECT男女スタッフとも座り比べしてもらいましたが、誰からも「背中のここが痛い!」と文句がでなかったこと。 体格差もあまり関係がないようなのです。
座り心地の理由1 ジャストな身体の傾きにしてくれる、背もたれの反り
CH23はぐーっと反った背もたれが特徴。直立の姿勢ではなく、お腹の力を緩めてリラックスできる姿勢になれます。座面も少しだけ後ろに傾いて、体重をゆったり背中に預けれるんです。
座り心地の理由2 身体をしっかり支えてくれる、幅広い背もたれ
背板はしっかりとした縦幅で安心感があり、背に当たる高さも丁度良いです。 さらに、肩までしっかり支えてくれる横幅で、上半身のすべての体重をあずけることができます。 緩やかなカーブが、背中から腕までの丸みに優しく沿い、少し斜めの姿勢もカバーしてくれるのも嬉しいところ。
座り心地の理由3 背中に添うフレーム
フレームは身体の丸みに沿って3次元に削られているため、背中に当たることがありません。手間のかかる繊細な加工です。
座り心地の理由4 フラットに近い、背板の段差
フレームに少し切込みがつくられ、背板が半分埋まるようなつくりになっています。このひと手間だけで、背当たりが大きく変わってきます。
座り心地の理由5 広々としたペーパーコード座面
脚がペーパーコード座面の高さに合わせて削られているため、広々と感じる座面になっています。 女性なら左右に両手が十分収まるほど。 さらに、身体の丸みに沿ってカーブした座面は太もも裏に優しく当たってくれます。 カーブの一番低い部分はSH43になっており、女性でもしっかり脚をつけることができます。
ダイニングにピッタリ、場所を取らないサイズ
出入りが多いので、動線(人が自然に動く時に通ると思われる経路)の確保が大切なダイニングスペース。
アームがないので、テーブルの下にピッタリ収めると、出幅はわずか12cmほど。空間の少ない場所でも、スッキリ使うことができるんです。